コラム
2021.04.16
歯とお口のケアで病気のリスクを下げる 歯周病の怖さは、歯を失うだけではありません。 歯周病と全身の病気とのかかわりを理解して、 歯とお口のケアに努めましょう。 ①糖尿病 歯周病の進行により産生する炎症性物質が血液中に入ると インスリンの働きを低下させるため、血糖値が下がりにくくなります。 ②心臓病 歯周病が引き起こす動脈硬化により、 心臓に血液を送る血管が狭くなったり(狭心症)、詰まったりします(心筋梗塞)。 また、心臓の内膜に歯周病菌がつくと、心内膜炎を引き起こし、 命にかかわることもあります。 ③骨粗しょう症 骨密度が低くなり、骨がもろくなる病気。 歯周病によって産生される炎症性物質が全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすためと考えられています。 ④肥満 歯周病が進んでいる人はメタボリックシンドロームの発症が1.6倍高まることが報告されています。 ⑤脳梗塞 脳梗塞とは脳の血管が詰まったり、心臓にできた血栓が脳に送られて血管が詰まったりする病気です。 歯周病にかかっている人は、そうでない人の約2.8倍脳梗塞になりやすいという報告があります。 ⑥認知症 歯周病が引き起こす動脈硬化は、脳血管性認知症の原因になる可能性があるとされています。 また、アルツハイマー型認知症との関連も明らかになりつつあります。 ⑦誤嚥性肺炎 歯周病菌などのお口の中の細菌が唾液や食べ物といっしょに誤って器官に入ると、 肺炎のリスクが高くなります。 ⑧関節リウマチ 手足の関節が腫れて、痛みやこわばりが起こる病気です。多くの研究により、歯周病の人は 関節リウマチのリスクが高いことがわかっています。 ⑨低体重児出産・早産 歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入ると、低体重児出産が起こりやすくなります。 また、血液中に子宮の収縮を早める物質が生まれるため、早産を起こりやすくなります。 このほか、がんや慢性腎臓病(CKD)、非アルコール性脂肪肝と関連性もわかってきました。 今後はさらに多くの病気と歯周病の関係が明らかになってくるでしょう。 公益財団法人8020推進財団小冊子掲載より