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どうしてカリエス(むし歯)は起こるのか。

 口腔内はお尻の穴と同じくらい汚いと言われているのはご存じですか。
カリエスの原因菌には「ミュータンスレンサ球菌」「ラクトバチラス」等、色々な菌があります。そのカリエスの誘発成分は「発酵性糖質」と言われています。発酵性糖質とは、ショ糖だけではなく、ブドウ糖、果糖、調理デンプンなどがあり、主に米や麺などに含まれています。そのため甘い物だけを控えてもカリエスが減ることはありません。カリエスを減らすにはバイオフィルムの病原性が高くならないようにする必要があります。バイオフィルムには「歯肉縁上バイオフィルム」と「歯肉縁下バイオフィルム」の2種類があります。歯肉縁上と歯肉縁下では細菌が異なります。歯肉縁上バイオフィルムには好気性菌が存在していて、弱酸性の環境下で発酵性糖質を食し、酸を産生します。このバイオフィルムを取り巻く、栄養、温度、pH、嫌気度などの環境変化によって細菌が元気になり病原性を高める現象をMicrobial shiftといいます。
カリエスは脱灰因子(酸産生細菌、発酵性糖質など)と防御因子(唾液、シーラント、抗菌剤、フッ化物など)の間のバランス崩壊(バイオフィルムの周囲環境の変化によるMicrobial shift)が、カリエスの発生原因となります。歯肉縁上バイオフィルムの中にはアンモニアを出す菌種がいます。アンモニアはアルカリ性のため酸を中和します。この菌が多い人はカリエスになりにくいと言われていますが、このような菌は酸性に弱いため増殖しません。
 口腔内常在菌には500〜700種ほどの菌が解明されていて、カリエスなどの発生原因となる菌もその一種です。その菌は口腔内から取り除くことはできません。口腔内細菌は血流に乗って全身を駆けめぐるため、全身の疾患は炎症で繋がっています。ということは、その菌を管理することは全身の健康に繋がるわけです。口腔内の「健口」は、自身の「健康」であり、習慣付いている歯みがきによるプラークコントロールがその第一歩です。
 歯肉縁下バイオフィルムについては次回以降に掲載予定です。

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